【小石霊園】の墓じまい完全ガイド|費用相場・手続き・業者選びを徹底解説します

墓じまいとは?
「墓じまい」とは、ご先祖の遺骨を既存の墓所から取り出し、納骨堂や永代供養墓など別の安置先へ改葬したうえで、墓石を撤去・更地化して区画を返還する一連の手続きのことです。
厚生労働省の衛生行政報告例によると、全国の改葬許可件数は 2010 年の約7万件から 2022 年には約15万件へと2倍以上増加しており、社会全体で「墓じまい」が一般化しつつあります。
墓じまい(改葬)について
- 改葬の定義:遺骨の「取り出し」と「移転」を自治体に届け出て許可を得る行政手続きです。改葬許可証を受入先に提出する点が特徴で、単なる墓石撤去とは区別されます。
- 主な改葬の流れ:①家族合意 → ②改葬先決定 → ③管理事務所へ届出 → ④区役所で改葬許可申請 → ⑤石材店による撤去工事 → ⑥改葬先へ納骨という6ステップが基本です。
近年、墓じまい件数が増えている理由

継承者不足
総務省の統計では、単独世帯と夫婦のみ世帯が全世帯の6割超を占める見通しで、子世代に負担を残さない選択肢として墓じまいが選ばれています。
無縁化防止策
多くの自治体が「管理料滞納が3年続くと無縁墳墓認定」といった条例を整備しており、無縁墓になる前に自発的に墓じまいを決めるケースが増えています。
費用の透明化
インターネット見積もりサイトの普及で、撤去費や改葬先の永代供養料が比較しやすくなり、「思ったより負担が抑えられる」と判断する方も増加しています。
ライフスタイルの変化
都市部への転居や海外在住など物理的に墓守が難しい世帯が増え、駅近の納骨堂や管理料不要の合葬墓へ改葬する動きが増えています。
本記事でわかること
本記事では、北九州市若松区にある市営小石霊園で墓じまいを検討中の方に向け、次のポイントを詳しく解説します。
項目 | 本記事の内容 |
費用相場 | 墓石撤去・収骨・運搬・改葬先納骨までの総額目安と、見積書のチェックポイント |
手続きの流れ | 小石霊園管理事務所・若松区役所への届出書類取得から完了報告までの時系列チェックリスト |
必要書類 | 改葬許可申請書、受入証明書、委任状(代理申請時)などの入手先と書き方 |
業者選びの注意点 | 市営霊園指定石材店の有無、相見積もりの取り方、追加費用が発生しやすいケース |
トラブル回避策 | 工期遅延や廃材処分トラブルを防ぐための契約書確認項目、閉眼供養の依頼先 |
本記事をお読みいただければ、費用負担を最小限に抑えつつ、行政手続きと宗教儀礼をスムーズに進める具体的な方法が把握できます。小石霊園ならではの届出窓口や区画返還ルールにも触れますので、ぜひ最後までご覧ください。
【小石霊園】の概要と区画の特徴
注記
・永代使用料は2024年度募集要項の最小面積(1 m²)を記載。年度の設計単価改定や募集区画の面積構成により変動します。
・区画返還時に使用料の返金制度はありません。墓じまい時は石碑撤去・更地化費用を自己負担で手配する必要があります。
墓じまいにかかる費用相場(小石霊園の場合)
小石霊園(北九州市若松区)は市営霊園のため、行政手数料は無料ですが、石材撤去費や僧侶読経料などは民間相場と同じく自己負担です。北九州市が示す平均撤去単価は 9.5〜14万円/㎡ で、一般的な4㎡区画なら 40〜56万円前後 が目安になります。ここでは主な費用項目と相場を整理しました。
費用項目 | 目安額(税込) | 備考/出典 |
---|---|---|
行政手数料(改葬許可) | 0円 | 北九州市は1通目無料(追加は200円) |
石碑・外柵撤去+更地化 | 9.5〜14万円/㎡ | クレーン進入不可・大墓石の場合は加算あり |
閉眼供養(僧侶お布施) | 3〜5万円 | 「魂抜き」の読経料相場 |
離檀料(寺院区画のみ) | 0〜20万円 | 市営区画は原則不要。寺院墓地の場合の目安 |
改葬先納骨堂(例:清浄光廟 1霊位) | 300,000円/管理料不要 | 若松区の永代供養納骨堂。明朗価格が特色 |
改葬許可申請サポート(行政書士) | 3〜5万円/件 | 依頼時の報酬相場。自分で行えば無料。 |
追加オプション例 | 刻字:1〜3万円/灯明:5千円〜 | 施工業者や寺院によって変動。 |
概算シミュレーション
4㎡区画・遺骨2柱・閉眼供養あり・清浄光廟へ改葬
- 石碑撤去・更地化 : 約 48万円
- 閉眼供養 : 約 4万円
- 改葬先納骨堂費 : 30万円 × 2柱 = 60万円
合計:約 112万円(税・追加オプション別)
※行政手数料は0円。市の指定石材店を利用し、立ち会い不要プランを想定。
注意点とコスト調整のコツ
- 市指定業者への相見積もりで撤去費を比較すると、同じ4㎡でも10万円以上差が出る例があります。
- 改葬先を管理料不要の納骨堂にすると、長期的なランニングコストを抑えられます(清浄光廟は管理料不要)。
- 閉眼供養は僧侶手配込みパックを選ぶと別途のお布施が不要になる場合があります(石材店に要確認)。
- 2025年度から北九州市営霊園は**永代使用料 38,900円/㎡**で統一(小石霊園も同額)になっており、区画返還時の返金制度はありません。
注記
- 本表の金額はすべて税込み表示。
- 市の委託業者価格改定(2025年4月)により、撤去単価が前年度比約3%上昇しています。
- 改葬先費用は各施設のキャンペーンで変動するため、最新料金を公式サイトで要確認。
【小石霊園】での墓じまい手順
以下は北九州市営霊園で定められている改葬(墓じまい)の流れを、小石霊園に当てはめて整理した実用チェックリストです。各ステップで必要になる書類・費用・問い合わせ先を確認しながら進めてください。
手順 | 内容 | 補足・ポイント |
---|---|---|
① 家族・親族の合意形成 | 墓碑の名義人(使用許可者)を中心に、改葬理由・改葬先・費用負担を事前に共有する。 | 名義人が高齢・遠方の場合は委任状で手続きを委託することも。 |
② 改葬先の確保 | 納骨堂・永代供養墓などの受入証明書を取得しておく。 | 北九州市外の施設でも可。受入証明書は改葬許可申請に必須。 |
③ 管理事務所で届出書を入手 | 「使用許可証」原本と「返還(廃墓)届」を受け取る。 | 若松区役所にて |
④ 改葬許可申請 | 受入証明書・使用許可証・返還届を添え、使用者(又は代理人)が若松区役所へ提出。 | 申請書様式は市公式サイトでDL可(押印不要)。手数料は不要。 |
⑤ 石材店の選定(見積り取得) | 北九州市「市営霊園工事業者一覧」から複数社に相見積りを取り、工事内容と内訳を比較。 | 指定登録業者以外は工事申請が認められないので注意。 |
⑥ 閉眼供養(魂抜き)<任意> | 撤去前に僧侶を招き読経し、ご遺骨と墓石から魂を抜く儀式。 | お布施相場は2〜3万円(北九州地区)。 |
⑦ 石碑撤去・更地化工事 | 石材店が工事届を提出後、墓石・外柵を解体撤去し、区画を原状回復。 | 1㎡あたり5〜12万円が目安。難所・大型墓は追加費用発生。 |
⑧ 改葬先へ納骨・開眼供養 | 洗骨・収骨後、新しい納骨先で開眼(入魂)供養を行う。 | 小石観音寺「清浄光廟」など納骨堂の場合、管理費なしの永代プランも。 |
⑨ 完了報告書提出・管理料精算 | 工事完了後に石材店が撮影した更地写真とともに「返還届」を管理事務所へ提出し、年度末までの管理料を清算して手続き完了。 | 区画返還後の払戻金制度はなし。 |
手順別ワンポイントアドバイス
- 書類は一括準備が時短のコツ
改葬許可申請は「受入証明書」が揃わなければ受理されません。早めに改葬先を決めて書類を手配しましょう。 - 相見積りは3社以上が目安
北九州市営霊園の工事価格は石材店ごとに差があります。㎡単価だけでなく、廃材処分費・人件費・重機搬入費など細目を比較しましょう。 - 工事希望日は余裕を持って
盆彼岸・春秋彼岸などは工事申請が混み合うため、1〜2ヶ月前の予約が安心です。
主要書類リンク集
- 北九州市営霊園 使用者の各種手続きガイド【改葬・返還・名義変更】(北九州市公式サイト)
- 改葬許可申請書(PDF)ダウンロードページ(若松区役所)(北九州市公式サイト)
- 市営霊園工事業者登録要綱・登録業者名簿(北九州市公式サイト)
注記:費用や書式は2025年7月時点の北九州市公式発表をもとに記載しています。条例改正やパンフレット更新で変更される可能性があるため、手続きの直前に必ず最新情報を確認してください。
石材店・業者を選ぶ5つのポイント
小石霊園(北九州市若松区)の墓じまい工事は、市が指定する石材店しか施工できません。したがって「価格」だけでなく 行政の許可実績・見積明細・追加費用の説明力・遺骨の扱い方・工期対応力 という5つの観点で比較することが失敗を防ぐ近道です。以下のポイントに気をつけましょう。
①市営霊園での工事実績
北九州市営霊園では、管理条例により「登録(指定)石材店」しか区画内の解体・撤去工事を行えません。指定業者は施工基準を満たし、過去の工事品質・産業廃棄物処理体制などを審査済みです。まずは “小石霊園指定石材店” の中から選ぶ ことが必須条件になります。
②遺骨の取り扱い(収骨・洗骨対応)
墓じまいでは、石碑を動かした後にご遺骨を取り出す「収骨」、土が付着した場合の「洗骨」を安全・衛生的に行うスキルが求められます。
北九州市では霊園管理事務所が立ち会うケースもあるため、遺骨取り扱いの講習受講証や専門設備(洗骨槽、乾燥室)を持つ業者かどうかを確認しましょう。
③見積書の内訳が明確か
見積トラブルで最も多いのは「一式○○円」のみで内容が不透明なケースです。
消費生活センターでも 「人件費・重機費・廃材処分費・産廃マニフェスト代」などを明細化 した書式で比較するよう注意喚起しています。北九州の平均撤去単価は 1㎡あたり 7万〜12万円(税別)が目安。相場とかけ離れて安い場合は、産廃処分を違法投棄する業者もあるため要確認です。
④工期と立会い日時の柔軟性
市営霊園は “車両進入許可日” や “作業時間(概ね9‑16時)” が決まっています。雨天順延や彼岸・盆前の混雑期にも対応できるよう、最短工期と予備日を事前に提示できる会社 を選ぶと安心です。工期が伸びると重機再搬入や産廃保管費が発生し、追加請求につながる例が報告されています。
⑤追加費用が発生するケースを説明してくれるか
- 隣接墓所との境界コンクリート切り回し
- 基礎深掘りで予想外の二段納骨室が出現
- 産廃石材の大口径切断が必要
- 墓誌・灯籠など付属物の撤去追加
こうした “やってみないと分からない” リスクを、現地下見の時点で 写真付きで説明→追加単価を見積書に明示 してくれる業者は信頼度が高いと言えるでしょう。
国民生活センターの相談事例でも「追加費用の事前説明不足」が最頻出トラブルと指摘されています。
よくある質問(FAQ)【小石霊園の墓じまい】

改葬許可は代理申請できる?
はい、直系親族(配偶者・子・孫など)であれば委任状を添えて代理申請が可能です。北九州市の改葬許可申請書には「使用者と申請者が異なる場合、使用者の承諾書または委任状を提出」と明記されています。
なお、改葬先の「受入(納骨)証明書」と合わせて提出する書類は次の4点が基本です。
- 改葬許可申請書(使用者・申請者欄を両方記入)
- 墓地使用許可証の写し
- 受入証明書(納骨堂・寺院等が発行)
- 代理人の場合は委任状
更地後の区画は返還金が出る?
小石霊園を含む北九州市営霊園では、区画返還に伴う使用料の払い戻し制度はありません。市の霊園管理要綱で「使用許可後に返還を受けても、既納の使用料は返還しない」と規定されています。
撤去・更地化が完了したら「返還届」を提出して使用権が消滅し、以後の管理料請求も停止されます(翌年度分までに日割り精算はありません)。
宗派がわからない場合の閉眼供養は?
閉眼供養(魂抜き)は必須ではなく任意ですが、希望する場合は石材店経由で宗派不問の僧侶を手配できます。
北九州市登録石材店の多くが「在籍僧侶または提携寺院による読経」をオプション掲載しており、宗派が不明・菩提寺がないケースでも対応可能です。
費用は 20,000〜50,000 円が相場で、読経時間・塔婆料の有無で変動します。
依頼時に「戒名が無い」「宗派が分からない」旨を伝えれば、宗派横断で読経できる僧侶(天台宗・真言宗系が多い)を紹介してもらえます。
小石観音寺でも閉眼供養(魂抜き、撥遣)を承っています。
納骨堂へ改葬するおすすめ先は?
小石観音寺の清浄光廟は一律で一霊30万円(複数の場合減額あり)で納骨を受け入れています。
管理費不要で、歴史ある寺院の境内で管理いたしますので継承者がいない方や次の世代に負担をかけたくない方にもおすすめです。
まとめ
小石霊園での墓じまいは、「費用」「手続き」「改葬先」の3点を同時に計画することで、想定外の出費やスケジュール遅延を防げます。
小石霊園は市営霊園となっているため改葬許可の書類様式や返還手続きは北九州市の規定に沿っており、区画返還金は発生しない点も押さえておきましょう。
まずは“総額イメージ”を固める
- 標準的な墓石撤去+行政手続き+改葬費を合わせた相場は 35〜150万円。区画面積が広い場合や重機搬入が困難な立地では上振れもあり得ます。
- 小石霊園の一般的な区画(2 m²前後)なら、撤去工事だけで 30〜50万円 が目安です。必ず2〜3社に相見積もりを依頼し、内訳(人件費・廃材処分費・交通費)を確認してください。
手続きは「改葬先の確保 → 市への申請」の順
- 改葬先の受入証明書がないと、区役所で改葬許可申請が受理されません。先に納骨堂などを決め、書類を取り寄せたうえで申請しましょう。
- 申請時は 申請者(使用名義人)または直系親族 が窓口に出向くのが原則ですが、委任状を付ければ代理人提出も可能です。
石材店は「市営霊園実績」と「追加費用説明」で選定
- 北九州市営霊園は独自の搬出ルート・施工規則があるため、工事実績が豊富な業者を選ぶと追加工期のリスクが小さくなります。
- 洗骨・収骨、残土処分料、閉眼供養の手配料など追加オプションの有無と金額を事前に書面で提示してもらいましょう。
更地化後の区画は返還・精算のみ
小石霊園を含む北九州市営霊園では、更地化して返還しても使用料の返金制度はありません。最後の年度分管理料だけ精算すれば手続き完了です。
改葬先は維持費と立地を比較
若松区で管理費不要・永代供養料一括型を希望するなら、小石観音寺の「清浄光廟」がおすすめです。車がない場合は交通・参拝時間が柔軟な市内納骨堂も候補に入るでしょう。
以上を押さえて進めれば、「費用が読めない」「手続きで行き詰まる」といったトラブルを避け、安心してご先祖を新たな安住の地へお送りできるはずです。
墓じまいについてさらに詳しく知りたい方はいつでも当山へお問い合わせください。
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