【2025年】四万六千日大祭|北九州の夏祭り〜柴灯護摩と火渡り〜

1. 四万六千日大祭のご利益とは?
四万六千日大祭(しまんろくせんにちたいさい)は、毎年8月9日に観音菩薩の御縁日として営まれる小石観音寺最大の年中行事です。この日に一度参拝すると「四万六千日──およそ126年分──毎日お参りしたのと同じ功徳が得られる」と古来から伝えられております。
数字の由来は、江戸時代の人々が主食であった米一升(約四万六千粒)の豊穣に観音さまの慈悲を重ね合わせたことによるという言い伝えもあります。
いただける功徳は多岐にわたりますが、当山では特に安産・厄除開運・家内安全のご利益で知られております。
観音菩薩は“母なる慈悲”を象徴する仏さまであり、「生まれる前から生まれた後まで見守ってくださる存在」として、妊婦さんやそのご家族に厚い信仰を集めています。
また、四万六千日という長い年月を象徴する功徳は、日々の健康長寿、事業繁栄、交通安全など“先の見えない将来”へ光をともす力になるともいわれます。
大祭当日は、真言密教の秘法である柴灯護摩(さいとうごま)が厳修され、参拝者の皆さまが願い事をしたためた護摩木を炎に投じて祈願いたします。続く火渡り行では、護摩壇の残り火の上を素足で渡ることで、煩悩や災厄を自らの一歩で焼き払い、心身を清めることができます。こうした体験を通して「願いを行動に変える」ことで、功徳がより深く身に宿るとされております。
四万六千日大祭は、一年の締めくくりというよりも“次の一年へ向けての心のスタートライン”です。炎の迫力と荘厳な読経の響きに包まれながら、家族や友人と共に新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
2. 柴灯護摩(さいとうごま)とは?
柴灯護摩(さいとうごま)は、真言密教と修験道に伝わる火の大護摩供で、屋外に高く積み上げた薪(柴)を燃やし、参拝者の願いを書いた護摩木をくべながら諸願成就を祈る祈祷法でございます。
堂内で行う護摩供とは異なり、開かれた天空の下で炎を立ち上げるため、**「天地を貫く火柱が仏と人を結ぶ」**とされ、古来より強い浄化力とご利益をもたらすと信じられております。
小石観音寺では、当山派修験道の流れを汲む正式作法に則り、山伏装束の僧侶が法螺貝と太鼓の音に合わせ一心に祈願いたします。
まず檜や杉の薪で高さ約三メートルの護摩壇を組み、東西南北を結界で囲い、五色旗を立てて諸仏諸尊を勧請いたします。点火の瞬間、真言がこだまし、白煙と炎が夜空を朱に染め上げる光景は圧巻でございます。
護摩木のすすめ

参拝者の皆さまは、受付でお求めになった護摩木に願い事をお書きいただくことができます。
皆様の護摩木は僧侶が火中へ直接投入しながら祈念します。燃えさかる炎は煩悩や災厄を焼き尽くし、清浄な力へと転化させると教えられ、特に安産成就・厄除開運・家内安全の祈願に高いご利益があると伝承されております。
護摩木は当日もしくは事前にお申し込みいただくことができます。
火渡り修行
護摩の火勢を鎮めた後、僧侶が素足で火床を均し、一般参拝者が続く火渡り行へ移ります。修行の厳しさと功徳の深さを体感していただけます。
撮影は自由ですが、火の粉や煙が飛ぶため機材の耐熱対策をお勧めいたします。また、化繊は溶けやすいため綿素材の長袖・長ズボンが安心です。
日常では味わえない迫力と霊験を体感できる柴灯護摩。炎のゆらめきを前に、心の内側でくすぶる不安や迷いを手放し、観音さまの慈悲に包まれるひとときをぜひお楽しみください。
3. 火渡り |参加方法と持ち物について
火渡り(ひわたり)とは?
火渡りは、20時の柴灯護摩が最高潮に達した後、その残り火を行者が平らにならし、20時30分頃から素足で炭床を渡る修行でございます。
炎で焼かれた炭の上を歩くことで、心身に付いた煩悩や厄災を焼き払い、一年間の無病息災を祈願いたします。
一般参拝者も参加できるのが、小石観音寺の夏季大祭の大きな魅力です。
参加方法(当日の流れ)
- 受付:柴灯護摩が始まる20時までに本堂前の護摩道場へお越しください。
- 整列:20時過ぎ、係員の指示で本堂前に整列し、行者の安全確認が終わるまで待機します。
- 火渡り:山伏が最初に渡り、その後に参拝者が続きます。足裏に灰が付くため、渡り終えたら設置された足洗い場で水洗いをお願いします。
- 解散:境内の御守授与所で“お守り”や御朱印を拝受できます(希望者)。
参加費はかかりませんが、護摩木を奉納して願い事を書くと、より功徳が深まると伝えられております。
持ち物・推奨服装
区分 | 詳細 | 理由 |
服装 | 綿素材の長袖・長ズボン | 火の粉で化繊が溶けるのを防ぐため |
足元 | 着脱しやすい履き物 | 渡火直前に素足になるため |
小物 | ハンドタオル & ペットボトル水 | 渡火後の足裏冷却と灰拭き取り |
撮影 | スマホ・カメラ(防塵ケース推奨) | 炎と煙で機材が熱を持つため保護を推奨 |
注意事項
- 妊娠中の方や乳幼児は安全のため見学をお勧めします。
- 灰が舞うためコンタクトレンズ利用者はメガネを推奨。
- 夜間でも熱気がありますので、水分補給を忘れずに。
4. 【開催情報】2025年・四万六千日夏季大祭スケジュール
時間は目安であり、当日の進行状況により前後する場合がございます。
時間 | 行事 | 内容 |
16:00 | 事業所法要 | 企業・商売繁盛・職場安全を祈願する厳修(会社代表者参列可) |
19:00 | 四万六千日大祭 法要 | 本堂で観音さまへ家内安全・心願成就を祈る大法要(参座無料) |
20:00 | 柴灯護摩 | 本堂前特設壇にて護摩木を焚き、皆さまの願いを祈願 |
20:30 | 火渡り行 | 残り火を鎮めた後、素足で炭床を渡る荒行(一般参加無料) |
開催概要
- 開催日:2025年8月9日(土)
- 会場:鎮西聖徳山 小石観音寺
(福岡県北九州市若松区中畑町7-1) - 参加費:参拝・火渡りともに無料
(護摩木奉納:1体800円〜/御祈祷札・御守は別途) - 予約:不要(団体の場合は事前連絡推奨)
- 雨天対応:小雨決行/荒天・強風時は柴灯護摩・火渡りを中止
アクセス
- JRご利用:JR筑豊本線「若松駅」下車 → タクシー約10分
- バスご利用:市営バス「小石観音前」下車 → 徒歩1分
- 自家用車:北九州都市高速「若戸出口」から車で約15分
駐車場:境内駐車場10台+臨時駐車場20台(いずれも無料)。混雑が予想されますので公共交通機関のご利用をおすすめします。
当日スムーズに参拝するコツ
- 護摩木は19:00の法要開始前までの時間帯が空いています。早めに奉納することでゆっくりとお参りしていただくことができます。
- 市営バスの利用が便利です。駐車場は混雑するため公共交通機関のご利用おすすめです。
一晩で四万六千日分の功徳を授かれる貴重な大祭となっています。ぜひ大切なご家族やご友人とお誘い合わせのうえ、ご参拝くださいませ。
5. よくある質問(アクセス・駐車場・服装)❓
Q1. 雨が降った場合、大祭は中止になりますか?
A. 小雨決行ですが、台風接近や強風など安全が確保できない場合は柴灯護摩・火渡りのみ中止となります。
Q2. 駐車場はありますか?
A. 境内に乗用車約10台分の常設駐車場がございます。大祭当日は近隣の臨時駐車場を20台分開放いたしますが、早くから満車になる見込みです。
公共交通機関またはタクシーのご利用をおすすめいたします。
Q3. 服装に決まりはありますか?
A. 参拝は平服で構いませんが、清潔感のある装いを推奨しております。本堂内では帽子は脱いでいただきます。火の粉で化繊が溶ける恐れがあるため、綿素材の服装が安心です。
Q4. 火渡りは事前予約が必要ですか?
A. 予約不要で、当日20:00までに本堂前の護摩道場にお集まりください。
Q5. 小さな子ども連れでも参加できますか?
A. 火渡りは安全面から未就学児は見学推奨とさせていただいておりますが、保護者同伴で近くからご覧いただけます。
Q6. 写真撮影は可能ですか?
A. 境内での撮影は自由ですが、フラッシュ撮影やドローンはご遠慮ください。また、火渡り中はスマホを持ったまま渡らず、同行者に撮影を依頼してください。
Q7. 護摩木や御守は事前に購入できますか?
A. 護摩木は事前のお申し込みも寺務所もしくはお問い合わせフォームにて受け付けています。
遠方の方は公式WEBショップで御守(安産・厄除けなど)の郵送授与も受け付けております。
まとめ
北九州の夏を締めくくる「四万六千日夏季大祭」は、一夜で126年分の功徳を授かれる貴重な行事でございます。
荘厳な柴灯護摩の炎と、一般参加可能な火渡り体験は、どなたでも“心の厄払い”と“新たなスタート”を感じていただけるでしょう。皆様のお参りをお待ちしています。
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